海外に行くとなると、心配なのがそのお国柄ですよね。
特にチップに関しては、そもそも日本にあまりそういった概念がないせいで、過剰に支払ってしまったり、どうしていいかわからない、という不安を覚えている人もたくさんいます。
最初に覚えておいていただきたいのは、シンガポールは、国が観光客に対して、チップは不要です、という政策をとっていたこともある国である、ということです。
つまり、欧米諸国を旅行した際のように、ひとつ何かしてもらったら全てにチップが必要で、小銭をたくさん用意しておかなくてはいけない、ということはないということなんですね。
とはいえ、チップという習慣が全くないというわけではありません。
チップとは、そもそも、何かサービスを受けた際の感謝の気持ちを表すものです。
その意味で、特別気持ちのいいサービスを受けた場合にチップを渡すというのは自然な行為ですし、双方嬉しい気持ちになれますよね。
例えばベッドメイキングなどでも、通常のサービスを受けただけであればチップは必要ありませんが、特別感動するような素晴らしいサービスだ、と感じたのであれば、枕銭を置いておくのも良いでしょう。
同じように、荷物を運んでもらったりルームサービスを頼んだりといった場合にも、特別な感謝を伝えたい場合以外にはチップは不要です。
しかし、追加でアメニティを持ってきてもらったり、特に重たい荷物を丁寧に運んでもらった、など、ありがたいな、と思った場合には渡すと良いでしょう。
しかし、最近では、チップを渡す間もなくさっと帰ってしまうホテルマンも多く、チップという習慣自体がすたれてきているという可能性もあります。
それでも、渡して嫌がられることはありませんから、感謝を覚えたときにはチップを渡す、という程度に心がけておくのが良いでしょう。
一方、多くのホテルに併設されているレストランではどうでしょうか。シンガポールの飲食店では、10パーセントのサービス料が最初から加算されているというシステムになっています。ですから、基本的にチップを渡す必要はありません。
また、事前にチップを渡すことでスムーズにことが運ぶ場合というのもあります。
例えば、レストランで窓際の席に座りたいなどの希望がある時などには、事前にチップを渡すことでお願いがしやすくなります。
また、フロントでタクシーを呼んでもらう際に、どうしても大急ぎで今すぐタクシーを捕まえたい! などというお願いをするときなどにも、事前に少しのチップを渡すことで、こちらの必死さを伝えることもできますし、相手も一生懸命な対応をしてくれやすくなります。